頼れる親族がいない「おひとりさま」が、専門家や身元保証サービスを手掛ける法人等(死後事務受任者)との間に「死後事務委任契約」を結び、葬儀、納骨、遺品整理といった死後の手続きを依頼するケースが増えています。
このような場合に重要となるのが、「死後事務受任者が、委任者であるおひとりさまが亡くなるタイミングをいかに把握するか?」という点です。それには、委任者の安否確認が欠かせません。
この記事では、死後事務委任契約に実効性を持たせる上で不可欠となる安否確認態勢の構築について考えます。
老人ホーム・介護施設入居者の場合
親族以外の第三者との間に死後事務委任契約を結ぶ場合、死後事務受任者が委任者が亡くなるタイミングをタイムリーに把握できる仕組みが整っていることが前提となります。委任者が24時間のケア体制の整った老人ホーム・介護施設に入居している場合は、万一の際に、施設から受任者に連絡が入る態勢が構築されていれば、問題ありません。
自宅でひとり暮らしをしているおひとりさまの場合
一方、委任者が自宅でひとり暮らしをしている場合、確実な安否態勢の構築を工夫する必要があります。
たとえば、「月1回、電話で安否確認を行う」という方法も存在しますが、これだけでは万全とは言えません。電話に直後に委任者が突然死したとしたら、最悪の場合、室内に1ヶ月近く遺体が放置されてしまうことになるからです。
かと言って、「毎日電話で安否確認を行う」ということにすると、毎日かかってくる電話を煩わしいと感じる方も多いでしょう。確実性は重要ですが、安否確認の継続性を確保するためには、「委任者にストレスをかけない」ということも重要になってくるのです。
一般社団法人よろずパートナーズの事例
シニアと家族の相談室と提携する一般社団法人よろずパートナーズが提供する「おひとりさま安心パスポート(スタンダードプラン)」では、自宅でひとり暮らしをする方の場合、警備会社の見守りサービスの導入などを用いた安否確認態勢を整えています。
たとえば、「HOME ALSOK みまもりサポート」では、体調が悪い時や自宅でケガをした際、ボタン一つでガードマンが駆けつけてくれる仕組みが整っています。さらに、24時間いつでも健康相談が可能で、ライフリズム監視サービスを追加することで、トイレのドアが24時間開かなかった場合など、緊急時には自動的に対応が行われます。
また、ヤマト運輸が提供する「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」を選択することも可能です。このプランは、自宅の生活動線上に設置された特殊な電球「ハローライト」を使った安否確認サービスです。朝9時から翌朝9時までの24時間の間にハローライトの点灯/消灯の動きがない場合、異常を検知します。異常が確認された場合は、ヤマト運輸のスタッフが自宅を訪問して安否確認を行います。月額1,078円(税込)と手頃な価格で安心を得ることができる点が人気です。
これらの安否確認の方法に共通しているのは、テクノロジーの力を使って、「静かに」見守ること。異常がない場合は、連絡が入らないため、委任者のストレスも小さく、長続きします。一方で、よろずパートナーズによれば、過去に委任者が室内で倒れた場合には、100%検知して、救出できているそうです。「おひとりさま安心パスポートスタンダードプラン」では、入退院時の支援など、いざという時の実働支援の仕組みも整っています。
まとめ
親族以外の第三者に死後の手続きを依頼する場合、確実で安心できる安否確認の態勢を構築することが鍵となります。
「シニアと家族の相談室」では、おひとりさまのシニアライフの安心を支える身元保証・死後事務支援サービスの紹介も行っています。どうぞお気軽にご相談ください。