連帯保証人、緊急連絡先、医療同意など。おひとりさまの入院時の問題と解決方法

頼れる親族がいない、おひとりさまが入院する際に直面する問題は、日頃、お元気な時にはなかなか想像できないほど複雑で切実です。

具体的には次の3つの問題があります。まず1つ目は「入院費用の連帯保証人が確保できない」という問題。続く2つ目は「万一の場合の緊急連絡先が確保できない」という問題。そして3つ目は「手術等の医療行為について、本人の代わりに同意してくれる人がいない」という問題です。

今回は、これらの問題に対する解決策について、ご説明します。

目次

入院費用の連帯保証人の問題

ほとんどの病院の入院申込書には、連帯保証人の記載欄があります。その保証内容は病院によって異なり、極度額が定められていないものや、100万円〜200万円程度のものがあります。

この連帯保証人の問題に対しては「シニアと家族の相談室」でご案内している身元保証サービス「おひとりさま安心パスポート」(一般社団法人よろずパートナーズ)でも対応しています。

おひとりさま安心パスポートとは?
シニアと家族の相談室と提携している一般社団法人よろずパートナーズが提供する身元保証・死後事務支援サービス。以下の条件を満たすことで、比較的少ない負担でおひとりさまにとっていざというときに必要なサポートを受けることができます。

ライトプラン:入院申込書の提出時に、年会費引き落とし口座に200万円以上の残高が確認できること(預金通帳のコピー等を提出)

スタンダードプラン:以下のAまたはBのいずれかを満たすこと
A. ご契約時に「生前支援預託金」100万円を預託する。
B. 年会費引き落とし口座の残高を常時200万円以上に維持し、毎年1回、残高確認資料(預金通帳のコピー等)を提出する。

なお、医師法第19条第1項には、「診療に従事する医師は、診療治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と定められています。

ここでいう「正当な事由」とは、医師の不在や病気等により、事実上、診療が不可能な場合に限られているとされています。したがって、身元保証人等がいないことのみを理由に、医師が患者の入院を拒否することは、医師法第19条第1項に抵触するものとされています(平成30年4月27日「厚生労働省・医政医発0427第2号」)。

これを踏まえ、次のような患者に対しては、入院時に連帯保証人を求めないという病院も増えています。例えば「支払方法としてクレジットカード払いを選択し、病院にカード番号を届け出た患者」「病院指定の保証会社と契約した患者」「5万円~30万円程度の入院保証金を差し入れた患者」といったケースです。

このような病院側のスタンスの変化も踏まえ、必要に応じて、病院とも十分なコミュニケーションを取り、ご契約者が円滑に入院できるようサポートします。

万一の場合の緊急連絡先の問題

病院で亡くなられた場合、ご遺体は半日程度しか霊安室に安置できません。そこで、身元保証サービス「おひとりさま安心パスポート」を活用していただくことで、緊急時にご遺体を提携葬儀社の安置施設に搬送するサポートも行います。

搬送後、落ち着いた状況の下で生前に指定された親族に連絡し、対応を協議します。また、葬儀・納骨・遺品整理等のサポート契約がある場合は、事前に締結された「死後事務委任契約」に基づき、死後の手続きをサポートします。

医療同意の問題

インフォームド・コンセントとは、医療行為を受ける前に、医療従事者から十分な説明を受け、患者が納得して同意するプロセスです。しかし、意識がない状態や判断能力が不十分な状態では、家族が代わりに同意することが一般的です。

「シニアと家族の相談室」が、契約者本人の代わりに医療同意を行うことはありません。しかし、「おひとりさま安心パスポート」のスタンダードプラン契約者の場合、「医療ならびに親族への連絡に関する要望書」を医療従事者に提示し、契約者本人の意向を伝えます。この要望書は、弁護士や医療ソーシャルワーカーの監修の下で作成され、毎年更新されます。

まとめ

おひとりさまが安心して入院生活を送るためには、連帯保証人、緊急連絡先、医療同意の問題を事前に解決することが重要です。

「シニアと家族の相談室」では、これらの問題に対するサポートを提供し、円滑な入院をサポートします。詳細や個別相談は、お気軽にお問い合わせください。

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