ここがポイント!終活の基礎知識

ここがポイント!終活の基礎知識

「終活」という言葉が広まり、日常会話の中でもよく耳にするようになりました。

「シニアと家族の相談室」にも、日々終活に関する相談が数多く寄せられます。そこで今回は、日々の業務を通じて感じた終活の重要なポイントについてお伝えします。

目次

エンディングノートを活用する

終活といえばエンディングノートを思い浮かべる人が多いでしょう。エンディングノートは、葬儀社のセミナーなどで無料配布されることも多いので、手に入れたらまず全体をざっと見てみることをお勧めします。多くのエンディングノートには、終活に必要な項目が細かく記載されており、頭の整理に役立ちます。

シニアと家族の相談室でご用意しているエンディングノートには、「葬儀」や「お墓」「介護」「終末期医療」などの希望を記載するページがあります。不動産や預金、株式、投資信託などの財産を列挙するページもあり、相続時の財産調査に役立ちます。

また、自動口座引き落としやクレジットカード、SNSやインターネットバンキングなどデジタルサービスのに関する情報を記載するページもあります。これらをしっかり記載しておけば、残された人が解約などの手続きで苦労することもありません。

さらに、家系図や自分年表、趣味・嗜好について書くページもあります。こうした情報は、介護が必要になった際に役立つことがあります。例えば「昔は小学校の先生だった」「趣味はお菓子づくり」「郷ひろみの大ファン」といった情報があれば、介護の現場で働く人たちも話しかけやすくなりますよね。周囲の人とコミュニケーションが取りやすいというのは、快適な暮らしを送る上でとても大切なことです。

なお、このエンディングノートはシニアと家族の相談室のセミナーや個別相談にお越しいただいた方には、無料でプレゼントしています。お越しになった際に、お声がけください。

遺言書や死後事務委任契約書を上手に活用する

エンディングノートには法的な効力はありません。

そのため、もしも相続でもめそうな場合や、相続人同士のコミュニケーションが難しい場合は、遺言書を作成し、財産の行き先を決めておくことが重要です。

この時、気を付けたいのが「遺留分」です。遺留分とは、兄弟姉妹とその代襲相続人以外の相続人に認められているもので、法律で保障されている一定割合の相続分のことを言います。

この遺留分を侵害する内容の遺言書は、相続争いの火種になることもあります。遺言書を作成するには弁護士や司法書士などの専門家のサポートを受けることをおすすめします。また、これらの専門家を遺言執行者に指定しておくと、相続手続きの負担も軽減されます。

また、葬儀やお墓の希望を遺言書に書いても法的効力はありません。頼れる身内がいない場合は、死後の手続きを生前に委任しておく「死後事務委任契約書」が有効です。

葬儀選びやお墓選びは質問を重ねて

核家族化や少子高齢化の影響で、葬儀や供養の形式は多様化しています。

葬儀については、家族葬などの小規模な葬儀だけでなく、通夜や葬儀・告別式を行わず火葬のみを行う直葬(火葬式)と呼ばれる形式も増えています。また、お墓については永代供養墓や樹木葬、納骨堂、海洋散骨などの新しい埋葬形式も人気です。

これらの選択肢が増える中、トラブルを回避するためにも、一人ひとりがサービス内容を理解することが重要です。例えば、Web上に掲載されている葬儀プランの中には、一見安そうに見えて、実は火葬場の料金が含まれていないプランがあります。また、お墓も一口に永代供養墓といっても、購入金額に将来の管理費が含まれているものもあれば、毎年管理費の支払いが必要な永代供養墓もあります。

後で「こんなはずではなかった」ということがないように、事前にしっかりご自身の目で確認し、納得いくまで質問をして、理解を深めておくことが大切です。

がんばりすぎず、専門家やサービスを活用する

ある暑い夏の日、区役所の窓口で苦しそうに座り込んでいる高齢の女性を見かけました。「娘の手間を減らすために戸籍謄本をそろえておこうと思って来ましたが、ここだけでは全部そろわないと聞いて……」と話す女性。

相続手続きには被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要で、本籍の移動があれば各市区町村役場から取り寄せる必要があります。

こうした手続きをすべて自分で行うのは大変ですが、司法書士などの専門家の相続手続き代行サービスを利用する手もあります。費用はかかりますが、煩わしい手続きから解放されるため、利用者が増えています。専門家に依頼する場合、戸籍謄本を中途半端にそろえておくより、すべて任せた方が効率的です。

まとめ

終活は「周囲の人たちに迷惑をかけたくない」という思いから取り組む人が多いですが、がんばりすぎは禁物です。専門家や企業のサービスを活用し、ストレスなく終活を進めていくことが大切です。「シニアと家族の相談室」では、終活に関する個別相談やセミナーを行っています。ぜひご利用ください。

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