相続トラブルを防ぐためにはどうする?

相続に関するトラブルは予想以上に多く、その予防には遺言書の作成を含む事前の対策が重要です。

よくある相続トラブルとその予防策について詳しく見ていきましょう。

目次

遺産分割協議と相続トラブル

遺言書がない場合、複数の相続人がいると、遺産分割は相続人全員による話し合い、いわゆる「遺産分割協議」で決定されます。しかし、この話し合いの過程で相続人同士の意見が対立し、いわゆる「遺産争族」と呼ばれるトラブルが起こることがあります。「相続トラブルはお金持ちの家庭だけの問題」と考える方も多いかもしれませんが、実際はそうではありません。

令和2年度の家庭裁判所で扱われた遺産分割事件を見てみると、全国で5,800件以上が取り扱われ、そのうち遺産総額が1,000万円以下の事件が全体の1/3以上を占めていました。また、5,000万円以下の遺産に関する事件は全体の8割近くにも及びます。つまり、相続トラブルは財産の多寡にかかわらず起こりうる身近な問題なのです。

相続トラブルが起こりやすいケース

相続トラブルは、相続人同士の関係や状況によってさらに複雑化することがあります。相続人同士がもともと良好な関係でなかった場合はもちろんですが、親の介護をめぐって相続人の貢献度に差がある場合、相続トラブルに発展するケースは極めて高いと言えます。親と同居し、介護に多くの時間を費やした子供は「自分が多めに相続して当然(特に親と同居していた実家は自分が相続して当然)」と考えがちです。一方で、他の兄弟姉妹が法定相続分を主張すると、意見が対立し、遺産分割協議がまとまらないことがあります。

また、兄弟姉妹のうち1人が親から生前に住宅購入資金などの援助を受けていた場合も、不公平感からトラブルに発展することが少なくありません。「親の相続を機に、きょうだい仲がギクシャクし、疎遠になってしまった」というケースは決して珍しくありません。

相続トラブルを防ぐための遺言書作成

こうした相続トラブルを未然に防ぐためには、早い段階で対策を講じることが重要です。その中でも有効な方法の一つが遺言書の作成です。遺言書には、「誰に、どの財産を、どのくらい相続させるか」を明確に示すことができ、相続人間のトラブルを予防する手段となります。遺言書があれば、原則としてその内容に基づいて遺産分割が行われるため、相続人全員による遺産分割協議が不要となり、トラブルのリスクが大幅に減少します。

特に法律の専門家である公証人が関与する公正証書遺言は、形式不備で無効になるリスクや文意不明等の理由で相続登記などの手続きに支障をきたすリスクがなく、安心できます。「シニアと家族の相談室」が提携している司法書士法人アベリアでは、公正証書遺言の作成を総合的にサポートしています。遺言書を作成する際は、直接公証役場に出向くよりも、事前に専門家のサポートを受けることで、よりスムーズな作成が可能となります。

まとめ

相続トラブルは、財産の多寡にかかわらず、どの家庭にも起こり得る現実的な問題です。遺産分割をめぐる意見の対立や介護への貢献度の違い等が原因となり、兄弟姉妹間での不和が生じることは少なくありません。しかし、遺言書を作成することで、こうしたトラブルを未然に防ぐことが可能です。特に公正証書遺言は、法的に有効で信頼性が高く、相続人同士の争いを防ぐための有力な手段となります。

相続に関する対策や不安がある方は、ぜひ「シニアと家族の相談室」にご相談ください。最適な専門家をご紹介させていただきます。

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