【セミナー講師インタビュー】相続税と贈与税が一本化?相続のプロが説明する、今できる相続税対策とは

相続税と贈与税が一本化?相続のプロが説明する、今できる相続税対策とは

「相続税ってどれくらいかかるの?」「相続税の申告ってどうすれば良いの?」 そんな相続税の疑問について、「信頼できる相続・贈与に詳しい相続税理士50選」(日本経済新聞2022年7月)に選ばれた相続のプロ、税理士法人ブライト相続 代表社員税理士 竹下祐史さんにお話を伺いました。 

目次

相続財産の半分が相続税として徴収されてしまう?

今、相続税の税率が最大55%と伺いましたが、相続税って高いですよね? 

そうですね。相続で取得する金額によって税率は変わりますが、単純に考えて、財産法上の世代が引き継ぐ際に、最大で半分も徴収されてしまうのは、正直異常だと思います。 

昔、農民の年貢が50%を超えると一揆が起こっていたと言われていますが、それくらい負担が大きいというのは実情としてあります。 

相続税は累進課税という制度のもと、富裕層の方や、資産家の方から多く徴収し、国がその資産を再分配し、均していくということが方向性としてあるようで、その傾向は今後どんどん強まりそうだということは、実感としてあります。 

※累進課税とは、収入の多い人や遺産の多い人ほどより高い割合の所得税や相続税が課されるしくみのことです。  

税制改正で相続税と贈与税が一本化?

相続税と贈与税が一本化するという改革が進んでいるという話を聞きました。 今後どういった動きになるのかご意見お聞かせください。 

これはまだ正式な発表はまだありませんが、近いうちに、「そうなるだろう」と予測しています。

税制改正大綱といって、毎年12月に政府が翌年度以降の税制改正の方針を発表しているのですが、その税制改正大綱でここ数年、相続税・贈与税の一体化がずっと書かれ続けているのです。 

コロナウイルスの影響などで先延ばしになっていますが「今年こそ来るのでは」ということは毎年いわれています。 

その案が可決され、相続税と贈与税の一本化が現実になると、今と大きく変わることはどういったところですか? 

今、有力視されているのが、贈与税の暦年課税の見直しです。 

暦年課税というのは、贈与を受けた額が年間110万円以下の場合、贈与税は課されないという制度です。この制度を利用し、相続税対策として毎年110万円ずつ生前贈与を行うケースが非常に多いです。 

今は亡くなる直前の3年間のうちに行われた贈与については相続財産に加算され、相続税がかかるのですが、この期間が延長されるのでは?と予想される方が多いです。 

税制改正で損をしてしまう? 

税制改正してしまうと、今まで行ってきた相続税対策は無駄になってしまうのでしょうか? 相続税対策をするのであれば、制度が変わってからの方が良いのでしょうか?

この質問は本当によくいただくのですが、明確には答えづらいです。 

例えば先ほど申しました暦年課税について。 相続財産に加算される期間が延長される内容だった場合、現在されている贈与に影響が出てしまいます。 しかし、来年の4月に改正されたとして、今行っている贈与に適用されるかどうかもわかりません。 

なので、私共が皆様に申し上げているのは、今贈与をしてもしも対象になったとしても「損をすることはない」ということです。 

意味がなくなってしまうことは残念ながらあるかもしれませんが、損をすることはないので、相続税対策は行った方が良いと思います。 

やれることを今始めれば、プラスにならないかもしれませんが、マイナスにもならないのですね。そんな中の相続税対策は、何から始めたら良いのでしょうか。 

やはり生前贈与についてですね。 

相続税対策は、大きく分けて生前贈与・不動産・保険と3つに分かれます。 

不動産は、購入した不動産を賃貸にしたり、小規模宅地等の特例を適用したりと、リスクを考慮する必要がありますし、金銭的にもハードルが高いです。 

保険に関しては、契約をしなければならないという点と、ご家庭によって保険が好き、嫌いが分かれてしまう点が難しいです。 

この点を踏まえると、相続税対策として始めやすいのは生前贈与だと言えます。 

年間110万円以下の贈与は、今のところ非課税なので、そこからスタートされる方が非常に多いです。 

税理士に頼まず、自分で相続税申告書を作成できるサービス

税理士さんに相続税申告をお手伝いいただくのは、金銭的に高いイメージがあります。 相続税を自分で計算できるサービスなどはあるのでしょうか。 

私事ですが、今年の4月からTASKI相続税申告という、インターネットサービスを使用して、ご自身で相続税申告書を作成するというサービスを始めさせていただきました。 

相続税申告されている方の統計を見ると、およそ9割の方が税理士にお願いされているのです。 

税理士に頼むと最低でも40万~50万円ほどかかってしまうのですが、TASKI相続税申告では利用料7万7,000円で相続税の申告書を作成することができます。 

私は10年程この業界に勤めていて、たくさんの方々の相続税申告を行ってきましたが、ご自身で申告書を作成して提出するという選択肢があっても良いのでは?と長年思っておりました。そういう方のためのツールを作りたかったのです。 

財産の評価が難しいとか、財産分割で色々な可能性が考えられる方は、税理士にお願いすべきです。 

しかし、このようなケースでない限り、ご自身でできる方は一定数いらっしゃるのです。 

ご自身で税金の計算をし、インターネットでいろいろ調べられて「あとは申告書に税理士からの判子をもらうだけ」という方が40万~50万円も払う、というのはもったいない気がします。 

財産が一定額より低ければ税務調査の可能性が低いので、当てはまる方はご自身で作成された方が良いと思います。 

それは誰でも使えるツールなのですか? 

はい。ご質問にお答えいただく形で入力をしていただきます。 

難しい制度もありますが、ページのガイダンスをご用意しております。 そちらをご覧になりながら入力していただき、ご質問などがございましたら税理士の無料質問対応をご利用いただけます。 

税金計算・遺産分割シミュレーションは無料でご利用いただけて、最後に申告書を打ち出す際に料金が発生するという仕組みです。 

税理士に依頼するとなると費用面でも不安がありますが、こういったサービスがあると、自分で申告したいという方も増えそうですね。相続税申告に対するハードルが下がった気がします。 

本日はありがとうございました。

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