本日は、相続・不動産の総合コンサルトとして活躍する、株式会社テイルウィンド代表取締役、古垣直久さんをお招きし、不動産の相続を中心に、相続トラブルを回避する事前対策について解説していただきました。
相続で揉めてしまうのは、なぜ?
「財産が少ないので遺産トラブルは起きない」と思っていませんか?実は、争いの原因は財産の多寡ではないのです。初めに、相続で揉める原因をいくつかご紹介します。
➀日頃から、親子で相続についての会話をしていない
「親が元気だから、まだいい」と後回しにしてしまい、手遅れになるケースが多いです。
ほかにも、会話をしたいが遺産の話は持ち出しにくいという方もいます。
➁生前、介護を頑張った人と全く介護しなかった人の相続割合が同じで揉めてしまう
寄与分(療養看護などにより特別の寄与をした場合、認められた分だけ多く付加される相続分)を主張しても、認められるのは難しいそうです。
③相続財産が不動産しかなく、現金などがほぼない
「家を売らないと、遺産の分配ができないじゃないか」という意見がでて、揉めてしまう。
④生前、お金を援助してもらっていたことが発覚し、揉めてしまう
「生前に、お金もらっているのだから均等に分けるのは不平等だ」という意見がでて、揉めてしまう。
など、いろいろな原因があります。
家族の縁を守るために
遺産分割の方法について争いがあれば、家庭裁判所に持ち込まれます。
遺産分割事件の審理期間は、だいたい1年、長くて3年です。
和解ができなければ、最終的には「民法に従い、均等に分けましょう」という結論に至ります。
しかし、一度揉めると家族の縁が切れてしまう恐れがあります。そうならないためにも、生前から財産状況についてのお話をして、思いを伝えておくことが大切です。
例えば、遺言書を作成しておくというのも一つの方法です。
遺言書は、何度でも書き換えられます。そのため、早いうちに書いてもメリットしかありません。新しく遺言書を作った際には、古い遺言書は破棄しておきましょう。
また、遺言書が見つからないと意味がありません。保管場所には気を付けましょう。法務局で自筆証書遺言を預かってもらえる制度もありますので利用してみるのも良いでしょう。
もうひとつ、遺言書に、附言事項を書いておくのもポイントです。
法的効力はないですが、自分の思いを残すことができます。争っている人が読むと「争うのをやめようよ」という気持ちになるという効果も期待できます。
遺言書とは別物ですが、エンディングノートを書いておくのも事前対策の一つです。
こちらも法的な効力はないですが、自由に自分の意思を伝えることができる日記みたいなものです。生前は、家族間の仲が悪かったりで言えなかった感謝の気持ちなどを書いておくと、それを読んだ人の心が和み、争いが減るかもしれませんね。
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