親族がいない「おひとりさま」の終活。死後事務委任はなぜ必要?

シニアと家族の相談室の提携する一般社団法人よろずパートナーズでは、「おひとりさま安心パスポート」を通じて、親族がいない「おひとりさま」の終活を支援しています。

今回は、実際のご相談を元に、もし孤独死となった場合、どのような手続きが必要になるか?死後事務委任の大切さについてご説明します。

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身元のわからない遺体は誰が火葬する?

「私はひとり者で、おそらく孤独死するでしょう。アパートの大家さんや隣の住人が気づいて警察に通報すると思います。唯一の身内は遠方に住んでいる甥で、もう20年以上連絡を取っていません。警察が甥を探し出しても、遺体の引き取りを拒否するでしょう。その場合、私の遺体はどうなりますか?」

これは最近、70代の男性から寄せられたご相談です。

ご質問の回答は、以下の通りです。遺体の身元がわからない、あるいは引き取る遺族がいない場合、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」に基づき、自治体が火葬を行います。その後も引き取り手が現れない場合、遺骨は一定期間保管された後、無縁塚に合祀されます。

亡くなった後で、周囲に負担をかけないためにできること

「おひとりさま」が亡くなった際に、火葬や無縁塚への納骨などでかかった費用は亡くなった人の財産から充当され、不足分は相続人や扶養義務者が負担します。もし、最終的に回収できない金額がある場合は、自治体が負担することになります。

さらに、亡くなったことが誰にも気づかれず、遺体の腐敗が進んだ後に発見された場合、特殊清掃が必要となります。その費用に加え、風評により次の借り手が見つかりにくくなるリスクなど、大家さんにも大きな負担がかかります。

また、葬儀や合祀への税金の投入を免れても、警察官や自治体職員の精神的負担も考慮すべきでしょう。

このように、配偶者や子どもがいない方は、葬儀、納骨、遺品整理、賃貸物件や介護施設からの退去手続きを誰かに頼んでおくことが重要です。兄弟姉妹や甥・姪に頼むのも一つの方法ですが、頼れる親戚がいない場合、法律家や企業・団体と「死後事務委任契約」を締結しておくのもひとつの選択肢です。

そして忘れてはならないのが、これらの死後の手続きには実費がかかるという点です。まずこれを確保しておく必要があります。

「葬儀は直葬で、納骨は寺院等を特定しない合祀墓へ」という条件であれば、少なくとも25~30万円程度の準備が必要です。遺品整理も思いのほか費用がかかる場合があります。介護施設内の限られた荷物撤去だけであれば数万円で済みますが、自宅の遺品整理となると、1DKのアパートでも荷物の量により30~80万円程度の費用がかかることもあります。

まとめ

「おひとりさま」の終活は、身近に頼れる人がいない分、前もってしっかりと準備しておくことが大切です。また、死後の手続きには実費がかかるため、葬儀や納骨、遺品整理などを誰に頼むのか、そのための費用をどう準備するのかを考える必要があります。

シニアと家族の相談室が提携する一般社団法人よろずパートナーズでは、「おひとりさま安心パスポートスタンダードプラン(死後事務委任契約を含む)」を通じて、親族がいない「おひとりさま」の死後の手続きを支援しています。

もしもの時に不安を感じたら、ぜひ「シニアと家族の相談室」にご相談ください。個別相談やセミナーへの参加もお待ちしています。

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