【セミナー講師インタビュー】ストレッチで健康の入り口を広げたい!

株式会社ユメハコブネのストレッチコンディショニングトレーナー・堀江和生さん

先日、窓口de終活オープン以来、初の体験型セミナーが開催されました。お招きしたのは株式会社ユメハコブネのストレッチコンディショニングトレーナー・堀江和生さん。

堀江さんは、ストレッチ専門店の最大手「Dr.ストレッチ」の草創期から約10年のキャリアを積み、アスリートに帯同し技術育成担当を経験されました。その後、現代表・平山康浩さんと出張整体業を主に行う「株式会社ユメハコブネ」を設立されたストレッチ界の実力者です。

目次

一生懸命社会に貢献した方々が最後に行きつく場所を変えるために

堀江さんがストレッチを仕事にしようと思ったきっかけを教えてください

私はストレッチの仕事をする前、元々ダンスをしていました。しかし椎間板ヘルニアを患ってしまい、手術を受け、術後リハビリテーションの一環でストレッチを行いました。

当時担当してくださった先生がすごく親身にケアをしてくださり、その行動に胸を打たれたと同時に、自分も「体をケアする仕事がしたい」と思い、Dr.ストレッチに入社しました。

その後、2019年にユメハコブネを創業されたのですね

独立のきっかけは、ある病院の入院病棟を見学させていただいたことです。

Dr.ストレッチに入社後、地方の病院に付帯しているデイケアサービスで、入居している方々に定期的にストレッチを教えるボランティアを行っていました。

何度かお手伝いに行くうちに、その病院の院長先生と仲良くなり、「社会経験として入院病棟を見学していきなさい」と院長先生に連れられ、関係者とご家族の方以外は立ち入り禁止の入院病棟に入らせていただきました。

600床くらいあるとても大きな病院で、終末医療を行っていたため、高齢者施設で病気を患ったことで退所に追い込まれてしまった方や、設備が不十分で居られないような方などを受け入れていました。そこで入院している方の9割が体の不自由な“寝たきり”の方でした。

胃ろうといって、口から食べるのではなく胃にチューブを繋いで直接栄養を入れていたり、人工呼吸器を付けて意思表示ができないような状況を見て、衝撃を受けました。

その病院は割と高級なところで、入院している人たちは、働いていたころの平均年収は1,500万円以上だったと聞きました。年収1,500万円というと、相当の社会貢献をされてきた方々なのではないでしょうか。

そのような方々の最後がこういう形なのかと、ショックでした。自分や、自分の大事な人たちも、一生懸命がんばって最後にたどり着くのはここかと思うと複雑な思いになりました。

当時私はDr.ストレッチの店舗展開を進めており、「全国の方の健康に少しでも影響を与えられているのでは」と、ある意味天狗になっているところもあったと思います。ですが、このまま店舗を広げていっても、ここに入院している方々には何も届けられないぞと。

こうした方々に何か違う形で力になれないかと考えるうちに、企業の福利厚生サービスとしてストレッチトレーナーをオフィスに派遣して、今、働いて社会に貢献している人たちの体をケアするサービスをしたいと思うようになり、独立させていただきました。

「社会に尽くしてきた方々に幸せな最期を迎えて欲しい」と思ったことが、私がストレッチを生涯の仕事に選んだ理由だと言えます。

「ユメハコブネ」の社名にもそうした思いが込められているんですか?

夢を詰め込んだ船「夢の箱舟」と、あなたの夢を一緒に運ばせてください「夢を運ぶね」の2つの意味があります。

これから関わる人達の「夢を詰め込みたい」という思いと、「夢の叶うところまでご一緒させてください」という思いを込めて社名を付けました。

70歳過ぎてから、ストレッチを始めても人生が変わった例も

ストレッチは体に良さそうというイメージはありますが、実際に健康にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

ストレッチには身体の筋肉を柔らかくするだけでなく、加齢によって収縮してしまう血管を広げたり、内臓を柔らかくしたりと、健康に効果的な面ももちろんあります。

しかしすべての人に、ストレッチが向いているか?というと、もちろんそんなことはありません。ではストレッチは何に優れているのかというと「健康習慣を始める入口」に適している点です。

「健康のために何かやらなくちゃ」とストレッチから入っていただいて、そこからトレーニングやマッサージなど、ご自身に合った健康を維持する方法を探していただくのが大事だと思います。

ストレッチが健康になるための、きっかけになれたら良いなという思いがありますね。

高齢になってからストレッチを始めても、そうした効果は期待できるのでしょうか?

ストレッチはいくつからでも始めていただけます。

例えば、私が担当していた70代のお客様で、脳梗塞の麻痺の影響で半身不随の方がいらっしゃいました。通い始めの頃は車椅子で来られていたのですが、通っているうちに段々、杖をついて歩けるようになり、7年後にはスキップで来店してこられたのです。

そのお客様は、「体のケアをすることは素晴らしい」と思ってくださり、70代後半で、柔道整復師(ストレッチ等のリハビリテーションを行い、薬を使わずに患者様の自然治癒を導く仕事)の専門学校に入学されたのです。

現在、その方は私たちと同じように健康を広める活動をされています。7年という時間はかかりましたが、「もう70代だから……」と諦めていたら、そのお客様は今も車椅子に乗っていたと思います。それがケアされる側から、ご自分がケアする側へと、人生が180度変わったんです。

お客様が「まだ70代!」と前を向き、ご自身で第二の人生をスタートさせたのです。

歩けるようになるだけでなく、ご自身がケアする側になるというのはすごいですね

ほかにも、70歳を過ぎてから、「開脚をしたい」という方もいらっしゃいました。

その方も、3年かかりましたが、足が180度開脚できるようになって、地面にペタッとつくようになりました。

なので、いつ始めるかというのは関係なくて、やるかやらないか、そして続けるか続けないかだと思います。

いろいろな方がいらっしゃるんですね

末期がんのお客様で、お亡くなりになる間際に面会させていただいたことがあります。

ベッドの周りに皆さんが立ってお別れを告げてるところに、私も並んで立っていたんです。その方は意識が朦朧としてうわごとを発しているような感じだったのですが、何気なく私が足に触れた時に「あ、堀江さんだ」って言ってくださったんです。

ストレッチで体をケアする仕事って、お客様と言葉以上につながる何かがあるのかなと思いました。

最後に、終活を行っている方に一言お願いいたします

ダンサーだった私はヘルニアを患った際、「健康を失うとすべてを失う」ということを痛感しました。私たちの理念でもありますが、健康は何にも代えられない、一番大事な物なのです。健康習慣を長く継続すれば絶対に未来は変化するので、無理をせず、ちょっとしたことをまずは継続してみてください。

しかし継続はとても難しいことなので、ご自身だけで頑張ろうとせず、私共にお手伝いさせてください。ご自宅で介護をされている方もぜひご相談いただければ。

ストレッチは、健康はもちろん、絆を感じられるサービスだと思います。ひとりでも多くの方の人生にかかわらせていただいて、夢を、一緒に運ばせていただけたらなと思います。

とても素敵なお話をありがとうございました

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
目次