本日は、日本俳句研究会・代表、現代俳句協会会員の小山正見先生をお招きし、先生の詠まれた俳句をもとに、認知症や介護について皆様で考えるセミナーを行っていただきました。
小山さんは今年2月、認知症を発症された奥様との暮らしを題材にした句集『大花野』を上梓されました。この句集は、東京新聞、毎日新聞、読売新聞、朝日新聞に紹介され、7月には、NHKの俳句番組「歳時記食堂」にも取り上げられるなど、大きな反響をよびました。
認知症は人間が壊れてゆく病気ではない
セミナーでは小山さんが詠まれた俳句のご紹介と、認知症の方と楽しい日々を暮らすためのライフハックを教えてくださりました。
「認知症は人間が壊れてゆく病気だと言われているけれど、僕はそう思わない。妻には妻の世界があって、それぞれの宇宙と宇宙が遠くなって届かなくなってしまっただけ」という小山さんの言葉は、これから介護を経験される方、最中の方、終えられた方の認知症の方への認識を覆したことでしょう。
小山さんは講演が終了した後、参加者の方の介護経験をお聞きし、「すごい!」「お疲れ様!」など激励の言葉をかけていました。
最後に私が好きだなと思った先生の俳句を紹介させていただきます。
「荒梅雨の花に水やる君と居て」
これは、見当識障害(認知症の中核症状のひとつで、記憶障害や理解力、判断力の低下などにより時間や場所、状況を理解できなくなる症状)の奥様が、梅雨の後期の大雨の日に花に水をやる様子を表現した句です。
私は一瞬で情景が目に浮かんだと同時に、小山さんから奥様への深い愛を感じました。
小山さんの講演は来月も開催されますので、ご興味のある方は、参加されてみては。
窓口de終活では、介護のお話だけでなく終活に関連するセミナーやイベントを毎日開催しています。各分野の専門家の話を無料で聞けて、気軽に相談できる機会です!ぜひご参加ください。