シニアと家族の相談室では、生命保険を活用した相続対策や、認知症・介護リスクへの備えを考える人からのご相談が増えています。
今回は、最近よく使われている生命保険を活用した対策について、ご紹介したいと思います。
健康告知不要、90歳まで申し込める生命保険も
相続対策のためによく活用される生命保険は、契約時に保険料を一括で支払う一時払い終身保険というタイプの保険です。
被相続人を契約者兼被保険者、相続人を受取人として契約します。生命保険の死亡保険金は、受取人の固有の財産となり、原則遺産分割協議の対象外となるため、遺言を作成しなくても、特定の相続人に対し、確実に財産を遺してあげることができます。死亡保険金は、スムーズに現金化できる点も魅力です。
また、生命保険の死亡保険金は、税法上は「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となりますが、相続税の「非課税枠(500万円×法定相続人の数)」が認められています。財産を死亡保険金として遺すことで、非課税枠の金額まで、相続税の課税対象外とすることができるため、一時払い終身保険は相続税対策の定番として活用されています。
最近人気がある保険商品の「死亡保障プラン」では、米ドル、豪ドル、日本円の3つの通貨を指定できますが、契約から一定期間経過以後は、死亡保険金額が、指定通貨建てで、一時払い保険料より確実に増えます。
特に米ドル、豪ドルを指定した場合、為替変動リスクはありますが、日本円よりも高めの金利を活かして、死亡保険金額を増やせる可能性があります。
このほか、ご加入時の健康告知が不要で、90歳までお申込みいただける点も支持されています。
生命保険を使った認知症・介護リスクへの備え
続いて、認知症・介護リスクへの備えについて考えてみましょう。
一般的な死亡保険では、契約者が認知症になってしまうと、保険契約を解約できません。介護のためにまとまったお金が必要になったからといって、保険の解約返戻金により介護費用を賄うことはできないのです。したがって、認知症・介護リスクに備えるためには、死亡保障とは別の保障が必要になります。
上記保険商品の「認知症・介護プラン」では、契約日から所定の期間経過後、被保険者が「所定の認知症と判断された場合」「公的介護保険制度における要介護1以上に認定された場合」に、認知症・介護保険金を受け取ることが可能です。
あらかじめ指定されたご家族が請求手続きを行うことができ、更に認知症・介護保険金を指定代理人の口座に振り込んでもらうことができます。原則非課税で保険金を受け取ることができ、贈与税もかかりません。認知症・介護保険金を受け取ることなく、ご本人が死亡された場合は、同額の死亡保険金を受け取ることができます。
現在加入されている保険が、どのような時に誰に保険金が支払われるのか、ご確認の上、必要十分な保障の確保に向けた保険の見直しをされることをおすすめいたします。
まとめ
相続対策(遺産分割対策、相続税対策)の手段としての生命保険の活用については、よく知られていますが、為替変動リスクはあるものの、日本円よりも高めの金利を活かして運用する外貨建ての一時払い終身保険が人気です。
こうした保険には、認知症・介護リスクへの備えとなるプランもあり、契約者が認知症になっても、あらかじめ指定されたご家族(指定代理人)が請求手続きを行い、保険金を受け取ることが可能です。
相続対策や認知症・介護リスク対策に生命保険を活用してみたい方は、まずはシニアと家族の相談室まで、お気軽にご連絡ください。