高齢者の交通事故は脳の処理オーバー?若者よりも脳を使う必要がある

高齢者の交通事故は脳の処理オーバー?若者よりも脳を使う必要がある

近年、ニュースなどで取り上げられることの多い高齢ドライバーによる交通事故。高齢ドライバーによる死亡事故の割合は減少傾向にありますが、なかなかなくならないのが実情です。

そこで名古屋大学は、高齢ドライバーによる交通事故のなかでもブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故に注目。実験の結果、ペダルを正しく踏んで操作するために高齢者は若者よりもたくさん脳を使っている可能性があることがわかりました。

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若者以上に脳を使う高齢者

名古屋大学は、高齢者のブレーキの踏み間違いによる事故の原因を調べるために手や足でペダルを操作する実験をおこないました。

この実験は、高齢者23人と大学生21人を対象に実施されました。

実験の内容は、提示された信号に合わせて左右の手か足でペダルを操作するもの。信号の形が「マル」なら右足、「サンカク」なら左足で、信号の色が緑なら右ペダル、赤なら左ペダルを操作するという内容でした。

この実験では、高齢者と大学生の成績はほとんど同じだったそう。しかし、高齢者は前頭葉という脳の前の部分の活動が大学生よりも活発になっていることがわかりました。

この結果から、高齢者は反応能力は問題ないように見えますが、若者と同等の成果を出すためには脳をたくさん働かせる必要があることが判明。そのため、実際の運転の場面では脳の処理能力の限界を超えて、事故につながる可能性があるそうです。

運転しやすい環境づくりも必要?

今回の実験では、高齢者が若者と同じような成績を収めるためにはよりたくさんの脳の活動が必要なことがわかりました。

実験の中ではどちらのペダルを踏むのかだけに集中すれば良いですが、実際の運転の場面では周りの障害物との距離、歩行者などの有無、信号機の色などさまざまなことに気を配る必要があります。

そのため、実験よりもたくさん脳を使う必要があり、脳の処理能力を超えてしまうことも想像に難くありませんよね。それで、交通事故が起きてしまうのであれば、もっと運転しやすい車を開発したり、運転しやすい街づくりなどの根本的な対策が必要なのかもしれません。

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